人は新しいぶどう酒を古い革袋に入れるようなことはしません。そんなことをすれば、革袋は裂けて、ぶどう酒が流れ出てしまい、革袋もだめになってしまいます。新しいぶどう酒を新しい革袋に入れれば、両方とも保ちます。(聖書 マタイの福音書9章17節)
20世紀に入り、テレビ、自動車、飛行機、ロケット、人工衛星、パソコン、インターネットなどの発明により世界は大きく変わりました。そして21世紀に入ってその変化は劇的にスピードを増しているといえます。特にGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon。4社全ての本社がアメリカ)に代表される企業によって私たちの暮らしは大きな影響を受けています。私たちは自分たちを新しい革袋にする必要があります。そうしなければ、多くの恩恵を受けることができなくなってしまうでしょう。本来知っていれば受け取ることができるはずの良いものが流れ出てしまう危険性があります。
ですから今の時代は、常に自分自身をアップデート(より新しいものに変更すること)していくことが求められています。ニューヨーク大学教授のスコット・ギャロウェイ氏は「the four GA’FA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新聞社)を2017年に出版しました。「GAFA以後の世界について学ぶことは、現代人の必修科目である」と著者は言います。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの四つです。彼はGAFA(ガーファ)を聖書に出てくるヨハネの黙示録になぞらえて現代の「四騎士」と言い、「あなたの生活は地上の人間を殺す権威を与えられた『四騎士』にコントロールされている」と書いています。著者は現代をこう考えています。「超優秀な人間にとっては最高の時代だ。しかし平凡な人間にとっては最悪である」と。これが本当であるならば、私たちは日々少しずつでも自分自身を新しく変えていかなければいけない時代に生きていることになります。自分が平凡であると自覚しているならなおさらそうです。
上記はイエスの言葉です。当時、お酒はびんではなく、革袋に入れて貯蔵していました。新しいぶどう酒は発酵力が強く発酵による圧力が革袋にかかるので、古い革袋に入れると革袋は張り裂けて破れ、ぶどう酒が流れ出て革袋がだめになってしまいました。新しい革袋には伸縮性と柔軟性があります。しかし、古い革袋は固くなって伸縮性がありません。イエスのいのちに満ちた教えはユダヤ教の古い律法主義という形式と因習では受け止めることができませんでした。イエスは新しい心と新しい生活様式を私たちに要請します。もし頑なにならずに勇気をもって生活を新しくして柔軟に対応していくなら、イエスから流れてくるいのちと祝福を受け取ることができます。
また全世界で展開されている現代の聖霊運動に対しても19世紀の教会観(古い革袋)でいるなら、新しい聖霊による恵み(新しいぶどう酒)を受けることはできなくなってしまいます。今は21世紀です。新しい時代です。20世紀にアメリカでペンテコステ運動が始まったことによって、教会は新しい時代に突入しているのです。それは21世紀に入って更に加速しています。教会は新しい革袋(新しい器)を用意しなければ、祝福を受け止めることができず流れ出てしまうでしょう。だからイエスは「新しいぶどう酒は新しい革袋に」と言われたのです。
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