異端に注意! コロサイ人への手紙 2:1-7(聖書)

間違った教えが流行している現代社会。詐欺同様、誰でも騙されてしまう危険性があります。異端に注意しましょう。注意するポイントを解説します。まず聖書を開きます。

1 あなたがたとラオデキヤの人たちと、そのほか直接私の顔を見たことのない人たちのためにも、私がどんなに苦闘しているか、知ってほしいと思います。2 それは、この人たちが心に励ましを受け、愛によって結び合わされ、理解をもって豊かな全き確信に達し、神の奥義であるキリストを真に知るようになるためです。3 このキリストのうちに、知恵と知識との宝がすべて隠されているのです。4 私がこう言うのは、だれもまことしやかな議論によって、あなたがたをあやまちに導くことのないためです。5 私は、肉体においては離れていても、霊においてはあなたがたといっしょにいて、あなたがたの秩序とキリストに対する堅い信仰とを見て喜んでいます。6 あなたがたは、このように主キリスト・イエスを受け入れたのですから、彼にあって歩みなさい。7 キリストの中に根ざし、また建てられ、また、教えられたとおり信仰を堅くし、あふれるばかり感謝しなさい。(コロサイ人への手紙 2:1-7)

異端の教えがコロサイ教会に入っていました。コロサイだけではなく、ラオデキヤの教会にも入り込んでいました(1節)。パウロはまだ一度も会ったことのない人々のために苦闘し、祈りました。私たちも様々な祈りの課題を聞きます。その中には会ったことのない人たちもいます。でも、関係のないこととしないで、その祈りの課題を知ったということは、神が私に祈りを要請しているのだと受け取め、パウロのように祈る者でありたいと思います。

キリスト教の異端という場合、基本的には仏教、神道、イスラム教などの多宗教に使う言葉ではありません。そうではなく、外側がキリスト教的な装いをしているので、一見キリスト教かなと思うんですが、実は本物のキリスト教ではないというのが異端です。

パウロは異端の教えに対して、無視したり、恐れたりするのではなく、問題を直視し、祈りつつ具体的なアドバイスをもって対決しています。初代教会には主に2つの戦いがありました。外には迫害、内には異端との戦いです。

この時、コロサイ教会を惑わしていた異端は、大きく分けてユダヤ教的なものとギリシャ哲学的なものがありました。ユダヤ教的なものは、人は福音だけでは救われないというものです。もちろん良い行いは大事です。でも救いに関してはただ恵みです。信仰のみです。

ギリシャ的なものは、救いにはグノーシス、知識が必要であると説いていました。教会を開拓したエパフラスはパウロから聞いたシンプルなイエス・キリストの福音をコロサイ教会で語っていたのですが、次第に異端の教えが教会に入り込み、兄弟姉妹を惑わし、混乱させていたわけです。

それに対して使徒パウロは、イエス・キリストこそが、真の知恵であり、真の知識であり、このお方に救いがあるとコロサイ教会に伝えます(3節)。

執筆中のパウロ

異端の教えは現代も形を変えて現れています。自分の信仰のあり方と違うという理由で他の教会に対して異端のレッテルをはる人が時々いますが、それは絶対にやってはいけません。ただある部分において行き過ぎている面がある、または聖書解釈の違いがあるだけです。たったそれだけの理由で、他のクリスチャンや他の教会に異端という言葉を使ってはいけません。

またカルトという言葉もよく聞きますが、異端とカルトは違います。異端は教え(教理)の違いです。それに対してカルトは体質の問題で、人をマインドコントロールして、支配していきます。多くの場合、反社会的になっていく傾向が強いです。怖いのはカルト化した異端です。

現代のキリスト教の異端は、3大異端と言われていますが、エホバの証人、モルモン教、今問題になっている旧統一教会です。この3つは正統的なキリスト教ではありません。偽りの教えで人々を惑わしています。旧統一教会が日本の政治の世界にも入っているというのですから、大変なことです。偽りの霊が日本の教会だけでなく、政治にまでも入り込んでしまっているわけです。

自分は異端ではなく正統的だと信じている人は、どこに根拠があるのでしょうか?なぜ正統的と言えるのでしょうか。正統なキリスト教として認められる信仰の基準は何でしょうか?

私は大きく2つあると考えています。①「聖書のみ」が正典である。信仰、教義、生活の基準となるものは、聖書だけ。これだけに特別な神の権威がある。②「三位一体の神」を信じる。父なる神、御子イエス・キリスト、聖霊。三者とも神様である、しかし、3つの神がいるわけではなく、この三者は一つである、というのが三位一体です。

三位一体の神

ここで、大事になってくるのは、イエス・キリストが完全な神であり、人であるということです。コロサイ人への手紙は、イエス・キリストとはどのようなお方かが書かれています(1:15,17)。異端に対抗するには、イエス・キリストがどのような方かを知り、体験することが一番大事だと使徒パウロは考えていたと思います。

私が埼玉の教会で牧師をしていた時に、Sさん(エホバの証人で学んでいた人)が来られました。話を聞き、では一緒に聖書を学びましょう、ということになり、教会の姉妹にも入ってもらい、一緒に聖書を勉強しました。一番の難関は彼女のイエス・キリスト観を変えることでした。エホバの証人は異端です。新世界訳という自分たちの都合に合わせて翻訳した聖書を使っています。それは私たちの聖書とは全く違うものです。そして、彼らは三位一体を信じていません。彼らはイエス・キリストのことを何と教えているのでしょうか。大天使ミカエルと同じような存在で、エホバの神よりも劣ると教えています。そして彼らの救いには、行い(伝道活動)が必要です。昔のユダヤ教的な異端と似ていると言えます。

異端の特徴はイエス・キリストの御名を引き下げることにあります。正統的なキリスト教の特徴はイエス・キリストの御名を高く上げることです。イエス・キリストは神ご自身です。第一のものです。天地万物を作られたお方です。Sさんと5,6回くらい聖書を学びましたが、イエス・キリストが神であるという啓示を彼女が受け取ることができませんでした。しかし、私は祈りの中でイエス・キリストの御名によって偽りの霊を打ち砕きました。そして、真理の霊である聖霊が働いてくださり、神ご自身であるイエス・キリストを彼女に啓示して、鮮やかに示してくださいと祈りました。

次の学び会、最後の学び会だっと思いますが、Sさんに聞きました。「イエス様を自分の救い主として信じますか?イエス様が全能の神であり、Sさんの神様であることを信じますか?」Sさんは「信じます」と告白しました。ハレルヤ!聖霊が働き、彼女を偽りから解放し、真理へと導いてくださいました。それから今度は、洗礼の学び、教会生活&クリスチャン生活について共に学び、彼女に洗礼を授けました。暗闇から光へ、悪魔の支配から神の支配へ移されました。神と敵対していましたが、救い主イエス・キリストを通して神と和解することができたのです。

モルモン教も聖書ではなく、モルモン書を権威ある書物としています。そしてイエス・キリストの神性(イエスが神であること)を信じていません。イエス・キリストを神と認めていないのです。彼らは末日聖徒イエス・キリスト教会と名乗っています。ですから一般の人たちには分かりにくいです。昔も今も悪魔の戦略は同じで、まことしやかな議論によって、人々を惑わそうとしています(4節)。異端との戦いは初代教会にとって大切な働きでした。

現代も異端との戦いが激しくなってきています。なぜなら、彼らは聖書を曲げて、自分たちで考え出した偽りを教え語っているからです。その教えをSNSによって拡散させています。一般の人がキリスト教について調べようとすると、異端のユーチューブ、ブログなどがたくさん出て来ます。一般の人々が正しく判断するのは非常に難しいです。おそらくこれからは、教会に属さないクリスチャン、オンラインだけで礼拝を捧げているクリスチャンは、更に惑わされやすい時代になっていくでしょう。

これは霊的な戦いです。真理と偽りの戦いです。背後に悪魔がいることを知ってください。惑わしの霊、悪霊が働いています。一方で、聖霊が真理であるイエス・キリストに導こうと働いておられます。

では今問題になっている旧統一教会の教えは何でしょうか。まず彼らは聖書ではなく、権威を原理講論という書物に置いています。彼らにとってイエス・キリストは神ではなく、人です。そして教祖は韓国人ですが、文鮮明が再臨のキリストであると教えている点が決定的に間違っています。文鮮明は2012年に死にました。

  • 三位一体を否定し、イエス・キリストの神性を否定するのが異端の最大の特徴です。私たちはイエス・キリストを高く上げます。イエス様が全能の神であると信じています。その全能の神であるイエス様が私たちを救うために人としてお生まれになってくださった。だから凄いんです。神が人になった。これがクリスマスの意味であり、福音です。

最近は、中国発祥の「全能神」という異端があります。彼らは三位一体を否定し、ヤン・シャンビン(この人は女性です)がキリストで、一度目はイエスが男性として受肉したけど、今度は中国にキリストは女性として受肉したと教えています。またツイッターでよく見かけるのが韓国発祥の異端「新天地」です。教祖のイ・マンヒがメシアであると教えています。あなたが通っている教会では救われません、と言って、彼らはクリスチャンに伝道しています。

異端の人の特徴は、①自分はクリスチャンであると表明し、聖書を引用して一部の本物を混ぜます。そして同じ兄弟姉妹なんだよと安心させようとしてきます。②そして多くの場合、自分が属している宗教の団体名を最初隠します。③目的はクリスチャンの勧誘、教会への潜入で、人を連れて行くか、教会を乗っ取ります。すでに被害は出ています。

終末の時代に、異端の教えは更に広がっていくでしょう。なぜなら、悪魔は自分の時が短いのを知って、躍起になって働いているからです。クリスチャンさえも真理から引き離そうとしているのが現代という時代です。悪魔は「はい、私は悪魔です」とは登場しません。光の御使いのように近づいてきます。Ⅱコリント11:14にサタンさえ光の御使いに変装するのです、と書かれている通りです。やり方が巧妙なので気を付けなければいけません。

イエスが教えられました。わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私こそそれだ』と言って、多くの人を惑わすでしょう(マルコの福音書13:6)。まさに現代にそれが起こっています。異端は、「似て非なるもの」です。彼らは聖書の言葉をよく引用するので、一見キリスト教かなと思うんですが、実は全く違います。ですから、この世の終わりの時代、惑わしの時代、霊的な洞察力が求められています。

どのように異端(間違った教え)を見破ることができるのでしょうか。

  • 聖書を知ることです。神の言葉、真理を知ることが何より大切です。
  • 聖霊に聞くことです。聖霊の働きを否定していくと、偽りへと向かいやすくなります。なぜなら、聖霊は私たちを真理へと導いてくださるからです。
  • 教会の交わりに留まることです。一人で孤立しないようにしましょう。一匹でいる羊が狼に最も狙われやすいからです。
  • 生きた信仰を持つ、本物になることです。日々、イエス・キリストにあって成熟していくように心掛けましょう。偽物について学ぶのではなく、本物に触れることです。そして、キリスト・イエスにあって歩むことです(6節)。クリスチャン生活の中心は、イエス・キリストです。

スポンサーリンク


投稿者:canaan

埼玉県で10年間&北海道で10年間牧師の働きをしました。現在は神奈川県の教会で協力牧師をしています。私自身が様々なことば(特に聖書のことば)で力づけられてきたので、希望に満ちたことばをお伝えしたいと願っています。I used to be a pastor in Saitama prefecture for 10 years and Hokkaido for 10 years. Now I am a cooperating pastor in Kanagawa prefecture. I myself have been empowered by various words(especially Bible ), so I would like to tell the hopeful words. 

2件のコメント

  1. いつも大変お世話になっております。
    素晴らしい御ブログに勉強されていただいております。
    さて
    「ものみの塔も聖書ではなく、モルモン書を権威ある書物」の箇所は
    おそらく「モルモン教も聖書ではなく、モルモン書を権威ある書物」
    のお書き間違いだと思われます。
    素晴らしい内容ですのでご訂正されるともっと
    多くの方に真理が伝わりやすいと思います。
    失礼しました。

    1. ご指摘ありがとうございました。後で訂正しておきたいと思います。いつも読んでくださり、感謝致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA