私たちには、新しいグローバルな啓蒙の理念が必要なのだ。私たちを分断する精神の毒に、ワクチンを打たねばならない。(マルクス・ガブリエル NHKBS1「シリーズコロナ危機」)
マルクス・ガブリエルは新進気鋭のドイツ人哲学者です。彼が今から半年ほど前に語ったのが上記の言葉です。彼は「新自由主義的なグローバル時代が終わり、コロナによって新しい時代が来ている」とも言います。
1989年にベルリンの壁が壊れ、1990年にドイツが統一し、1991年にソ連が崩壊したことによって、確かにフランシス・フクヤマ氏が書いているように歴史が終わり、新自由主義的なグローバル時代が始まりました。資本主義が世界に拡大し、大量消費の物質主義がもてはやされました。目に見えるものに重きが置かれ、目に見えないものは軽んじられるようになりました。しかし、目に見えないコロナウィルスという存在によって、世界が揺さぶられて、目を覚まさせられたのです。
サン=テグジュペリ著の『星の王子さま』でキツネは王子さまに言います。「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。」 キツネは続けて言います。「人間たちは、こういう真理を忘れてしまった。」
21世紀に生きる現代人は「大切なことは目に見えない」という真理を忘れてしまっていましたが、今回のコロナウイルスによって本当に大事なことが何であるのか、と考える時にきました。ウイルスが目に見えなくても実在するように、神も私たちの目に見えませんが実在しておられるのです。
聖書にはこのように書かれています。「私たちは、見えるものにではなく、見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつまでも続くからです。」(コリント人への手紙第二 4:18)
コロナウイルスのワクチンが一日も早く皆のもとに届くことを待ち望んでいます。ワクチンはウイルス感染や、重症になることを防いでくれるからです。しかし同時に、私たちは心にもワクチンを打つことが大切です。新約聖書にはイエス・キリストの生涯が記されています。新約聖書は新薬だと言えます。新しい薬です。この新薬は心に非常に効き目があります。心が弱り、失望し、希望が感じられない時でも、新約聖書を読むと、力が与えられて心が元気になります。精神的に重症になることから守られるのです。なぜなら、イエス・キリストは私たちに、本当のいのちと喜び、そしてこの世界が与えることの出来ない平安を与えることができるお方だからです。
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