昨日からアドベントが始まりました。12月24日まで続きます。アドベントは「出現、到来」という意味で、キリストの到来のことです。このクリスマスを準備する期間を待降節と呼び、イエス・キリストの降誕を待ち望みます。
クリスマスと言えば、「きよしこの夜」が有名です。この曲を聴くと厳かな気持ちになるのではないでしょうか。この曲ができた経緯には実はハプニングがありました。
1818年、今から約200年前、オーストリアのオーベンドルフという小さな村の聖ニコラウス教会で、その年もクリスマス礼拝が行われようとしていて、村人は皆クリスマス礼拝を楽しみにして準備をしていました。
いよいよ明日がクリスマスという日、つまりクリスマスイブの日に、教会のオルガン奏楽者であり、村の学校の校長でもあるグルーバー先生が、オルガンの練習をしようとペダルを踏みました。ところが、いくら踏んでも音が出ません。調べてみると、オルガンの空気袋がネズミにかじられてしまって、空気が入らなくなっていたのです。
小さな村ですから、すぐには修理ができません。困ったグルーバー先生は、教会のヨセフ・モーア牧師に相談しました。するとモーア牧師はこう言いました。「グルーバー先生、オルガンがダメならギターがあります。ここに私が作った詩があります。先生がこれをギターで歌えるように曲をつけてください。」
翌日、クリスマス礼拝の村中の人が教会に集まりました。この時、人々は生まれて初めてオルガンなしの礼拝を経験しました。ところが、ギターと共に歌う「きよしこの夜」の美しいしらべは、深い感動を村人たちに与えたのです。
以下は英語の歌詞です。
Silent night! Holy night!
All is calm, all is bright,
Round yon Virgin Mother and Child!
Holy Infant, so tender and mild,
Sleep in heavenly peace!
Sleep in heavenly peace!
「賛美歌」におさめられている日本語歌詞の訳は以下のようにちょっと古いです。
きよしこの夜 星はひかり
救いのみ子は まぶねの中に
眠りたもう いとやすく
英語の歌詞(原語はドイツ語です)を直訳風に現代的に訳すとこんな感じになると思います。
静かな夜 聖なる夜。
すべてが穏やかで すべてが輝いている、
処女のお母さんとこども(赤ちゃん)のまわりは。
優しく穏やかな聖なる幼子よ、
天国の平和の中で眠りなさい。
天国の平和の中で眠りなさい。
もしもオルガンが壊れなければ、名曲「きよしこの夜」は生まれませんでした。私たちの人生には、突然のハプニングが起こるものです。絶望的な状況に追い込まれてしまうこともあります。でも、そこから不思議な神の逆転の道が開かれていきます。クリスマスはイエス・キリストの誕生をお祝いする日であり、人生に逆転をもたらすことのできる特別な日なのです。
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