地が乾ききると(創世記8:14)、神はノアに「箱舟から出なさい」と仰せられました(16節)。ノアはそのおことばに従って箱舟から出て来ました(18節)。
15 そこで、神はノアに告げて仰せられた。16 「あなたは、あなたの妻と、あなたの息子たちと、息子たちの妻といっしょに箱舟から出なさい。17 あなたといっしょにいるすべての肉なるものの生き物、すなわち鳥や家畜や地をはうすべてのものを、あなたといっしょに連れ出しなさい。それらが地に群がり、地の上で生み、そしてふえるようにしなさい。」18 そこで、ノアは、息子たちや彼の妻や、息子たちの妻といっしょに外に出た。19 すべての獣、すべてのはうもの、すべての鳥、すべての地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、箱舟から出て来た。20 ノアは、主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜と、すべてのきよい鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼のいけにえをささげた。21 主は、そのなだめのかおりをかがれ、主は心の中でこう仰せられた。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。わたしは、決して再び、わたしがしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい。22 地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜とは、やむことはない。」(創世記8:15-22)
大洪水は、水のバプテスマの型です。ノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられたときに、従わなかった霊たちのことです。わずか八人の人々が、この箱舟で、水を通って救われたのです。そのことは、今あなたがたを救うバプテスマをあらかじめ示した型なのです。バプテスマは肉体の汚れを取り除くものではなく、正しい良心の神への誓いであり、イエス・キリストの復活によるものです。(ペテロの手紙 第一 3:20,21)
ノアとその家族による新しい生活が始まりました。ノアは、箱舟から出て来てまず何をしたのでしょうか。彼は最初に主のために祭壇を築き、祭壇の上で全焼のいけにえを捧げ、神を礼拝しました。大洪水の裁きから救われた感謝を捧げたのです。神の臨在が現れていたエデンの園は、大洪水で滅びてしまいました。神に出会う場として、また犠牲を捧げる場として、祭壇が必要になったのです。ノアは、主のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜と、すべてのきよい鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼のいけにえをささげた(20節)。
主は、そのなだめのかおりをかがれ、その礼拝を受け取られました。それはノアがきよい動物をほふり、血の捧げものをささげたからです(20節)。この全焼のいけにえは、イエスが十字架で流された血を表わしています。私たちはイエスの十字架を通して神に受け入れられます。また十字架を通して、神に近づくことができます。
『十字架上のキリスト」/ ジョット
神はノアに約束をされました。「わたしは、決して再び人のゆえに、この地をのろうことはすまい。人の心の思い計ることは、初めから悪であるからだ。わたしは、決して再び、わたしがしたように、すべての生き物を打ち滅ぼすことはすまい。」(21節)
以前は人の心の思い計ることが悪であるからこの地が滅ぼされましたが(創世記6:5 主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった)、ここでは人の心の思い計ることが悪であることがこの地を滅ぼさない理由になっています。大洪水によって人間の罪を見過ごさない神の義が示されましたが、これ以降は人間の罪に対して神の憐れみと恵みが示されます。
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