映画「ロード・オブ・ザ・リング」は三部作です。一作目「旅の仲間」で指輪を捨てるチーム(仲間)が結成され、旅立ちました。でも最後でチームが3つに分かれてしまいました。(参考 https://canaan.blog/lord-of-the-rings/)
二作目の「二つの塔」ではその分かれたチームがどのような冒険をしていくかが描かれています。今作では、フロドとサムはひたすらモルドールへと歩を進めていきます。今回活躍するのは同じホビットでもメリーとピピンと言えます。この二つの塔は、冥王サウロンが住む「バラド=ドゥア塔」と、魔法使いサルマンの本拠地アイゼンガルドにそびえる「オルサンク塔」のことです。まさに悪の枢軸です。本作のメインで扱われるのはオルサンク塔の方です。バラド=ドゥア塔は三作目のメイン舞台になります。
オークの襲撃で「旅の仲間たち」は3方向へ離散してしまいました。ホビット(小人族)のフロドとサムは指輪を葬り去るためにモルドールの滅びの山へ勇敢に向かいました。指輪の前の持ち主であるゴラムが指輪を奪うために二人をひそかに尾行しています。一方、フロドとサムとは別行動を取った人間のアラゴルン&エルフのレゴラス&ドワーフのギムリは、オークの首領ウルク=ハイに捕らえられたホビットのメリーとピピンを助け出すために敵を追いかけました。以前は魔法使いガンダルフの良き先輩でしたが、今は裏切り冥王サウロンの配下についてしまった魔法使いサルマンがホビットを生きたまま連れて来るようにオークたちに命令していたのです。アイゼンガルドに建つ塔を本拠地とするサルマンは、この場所で魔法の力によって強大な悪の軍隊を生み出し、人間の王国ローハンへ進軍を開始しました。
ロード・オブ・ザ・リングはまさに善と悪との戦いです。神と悪魔の戦いをあらわしていると言えます。悪魔を象徴するサウロンは悪霊どもであるオークたちを使って、世界を滅ぼそうとします。この悪に勝利する道は一つしかありません。それは絶大な悪の力を持った罪の象徴である「指輪」を捨て去ることです。そのためにフロドは決死の覚悟で敵の本陣へと向かっています。
アラゴルンたちは敵を追いかける途中でエオメル王子が率いるローハンの騎士たちと遭遇します。ローハンの騎士たちはすでにウルク=ハイとオークたちを討ち果たしていました。彼ら3人は、メリーとピピンがその時に戦いに巻き込まれて殺されたかと思い失望しましたが、二人のわずかな痕跡を追って、ファンゴルンの森へ入りました。彼らはそこで復活したガンダルフとの再会を果たします。悪鬼バルログと戦って奈落の底に一度は落ち死んだと思われたガンダルフでしたが、彼はバルログに打ち勝ち、より強い力を備えた白の魔法使いになってよみがえっていたのです。
イエス・キリストも死を打ち破りよみがえられました。イエスは以前とは違った復活の体となっていたのです。十字架で死んだイエスを目撃した弟子たちは失望していましたが、イエスと再会し、喜びに溢れました。
アラゴルンたちはガンダルフとの再会を喜びました。ガンダルフは樹木の牧者エントにメリーとピピンの保護を頼んでいて、二人が無事である事を彼らに伝えました。ひとまず安心した3人は、悪の魔法使いサルマンに狙われているローハンの危機を救うため、ガンダルフと共にローハンの都エドラスに向かいます。
ガンダルフたちがエドラスに着くと、王宮には生気を失ったセオデン王の姿がありました。ガンダルフはセオデンの心を毒したサルマンの魔力を追い払います。するとセオデンはかつての王の姿に戻り、彼は国民と共に難攻不落の城に退避しました。しかしこのままでは圧倒的に不利なので、ガンダルフはアラゴルンに後を任せ、白馬に乗ってエオメルの部隊を探しに行きます。
イエスは働きの中で何度も悪霊を追い出しました。イエスは、さまざまの病気にかかっている多くの人をいやし、また多くの悪霊を追い出された。(マルコの福音書1章34節) 悪霊は人間を滅ぼうそうと今も働いています。現代社会でも、神と悪魔の戦いは繰り広げられています。神は人を救おうと働き、悪魔は人を滅ぼそうとしています。身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。(ペテロの手紙第一 5章8節)
サルマンの軍勢は1万以上いました。一方、ローハンの軍勢はわずか300人しかいません。レゴラスまでが希望を失い絶望していた時、アラゴルンは言います。「希望は常にある。」 人生において、困難や試練はあります。でも諦めてはいけません。生きている限り希望は常にあります。聖書は言います。「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。-主の御告げー それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。」(エレミヤ書29章11節)。
その後、アラゴルンの言葉が実現し、エルロンドから遣わされたエルフの軍隊が到着したのです。しかし、戦いは劣勢で敵の軍勢の勢いは止められず、エルフ軍は次々と倒れ、城壁は崩され、門も破られてしまいました。しかし、決死の覚悟で城内から打って出たローハン軍の騎馬突撃と、白馬に乗って駆けつけたガンダルフとエオメルの率いる部隊の挟み撃ちによって土壇場で敵に勝利することができました。聖書の黙示録には、白馬に乗ったイエスが敵である悪魔と戦い勝利されるシーンが出てきます(黙示録19章)。
ガンダルフは語ります。「ヘルム峡谷の戦いは終わった。だが、中つ国の戦いは始まったばかりだ。」私たちの人生も一つの戦いがやっと終わったと思っても、次の戦いが始まります。聖書の中で、戦士であったヨシュアに主である神が語る場面があります。「あなたは年を重ね、老人になったが、まだ占領すべき地がたくさん残っている。」(ヨシュア記13章1節) ガンダルフたちの悪との戦いは次作へと続いていきます。
メリーとピピンは、エントに助けてくれるように、戦いに加わってくれるようにお願いしますが、エントたちは自分たちとは関係ないことだと言って、何も行動を起こそうとしませんでした。メリーは言います。「だけどあなたたちも世界の一部でしょ?助けてくれなきゃ、、、お願いだ。」 今、世界はどんどん小さくなっています。一つの国で起こったことは、周辺の国々、そして全世界に影響を与えます。コロナウィルスもそうでした。中国で発生したこのウィルスは、日本に、アメリカに、ヨーロッパに、インドに、南米に、そして今も現在進行形で世界に影響を与え続けています。日本国内もそうです。10年前に福島で原発事故が起こりました。政府と東電の隠ぺいによって汚染がすでに拡散されました。今後、更に拡散されようとしています。他の場所で起こったことと無関係でいることができないのが、今の現代社会の大きな特徴の一つです。
そして、ピピンの一計によって、エントたちに木々(仲間たち)がサルマンの手によって無惨にも殺され、武器工場の燃料とされていたのを目撃させます。それを、見たエントは怒り、目を覚まし、アイゼンガルドの塔を襲撃し、彼らの破壊的な攻撃によってサルマンの拠点を壊滅させることに成功しました。目を覚ましていることや現実を直視することも、問題を解決する際に必要な力になると思います。
フロドは危険な状況に何度も遭遇しましたが、その度に勇敢なサムに助けられました。フロドは言います。「自分は、サムなしでは何もできなかった。」 人間は、一人では偉大なことを成し遂げるのは難しいです。しかし、仲間がいることを通して、不可能に思えることを克服し、乗り越えていくことができます。
ホビットの二人を尾行し、後には二人をモルドールまで案内することになったゴラムは、スメアゴルの良心(指輪を所持する以前の彼)はついにゴラム(指輪を所持した後の彼)の悪心に屈して、フロドとサムを殺して指輪を奪うことを決意しました。物語は「王の帰還」へと続きます。
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