1 主はノアに仰せられた。「あなたとあなたの全家族とは、箱舟に入りなさい。あなたがこの時代にあって、わたしの前に正しいのを、わたしが見たからである。2 あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいづつ、3 また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。それはその種類が全地の面で生き残るためである。4 それは、あと七日たつと、わたしは、地の上に四十日四十夜、雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面から消し去るからである。」5 ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。6 大洪水が起こり、大水が地の上にあったとき、ノアは六百歳であった。7 ノアは、自分の息子たちや自分の妻、それえに息子たちの妻といっしょに、大洪水の大水を避けるために箱舟に入った。8 きよい動物、きよくない動物、鳥、地をはうすべてのものの中から、9 神がノアに命じられたとおり、雄と雌二匹ずつが箱舟の中のノアのところに入って来た。10 それから七日たって大洪水の大水が地の上に起こった。(創世記 7:1-10)
神はノアに「あなたとあなたの全家族とは、箱舟に入りなさい」(1節)と仰せられました。家族に一人クリスチャンがいるということは、救いが全家族に及ぶ可能性が大いにあるという希望があります。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(使徒の働き 16:31) ノア一人の信仰を通して家族全員が救われました。ノアとその家族が救われたのは、ノアが悪い時代にあっても、神の御前に正しかったのが神によって認められたからでした。あなたがこの時代にあって、わたしの前に正しいのを、わたしが見たからである(1節)。
主はその御目をもって、あまねく全地を見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。(Ⅱ歴代誌 16:9)
神は「あと七日たつと、わたしは、地の上に四十日四十夜、雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面から消し去る」(4節)とノアに仰せられました。動物や鳥たちも全地の面で生き残るために箱舟に入れなさい(2,3節)と神はノアに命じられていましたが、これはノアの力だけでは無理だったでしょう。特別な神による介入があったと思われます。このような話を聞いたことがあります。1888年(明治21年)、福島県にある磐梯山が爆発したそうですが、爆発する一週間前ほどから、磐梯山にいた動物がそろぞろと山から下ったそうです。人々は不思議に思いましたが、山の異変には気づきませんでした。やがて小鳥さえも姿を見せなくなった時に、爆発が起こり、多くの方々のいのちが犠牲になったそうです。
動物たちは、大洪水が起こる7日前から箱舟に入り始め(8,9節)、そして7日目に、すなわち大洪水が起こった日に、ノアと彼の家族が箱舟に入りました(7,13節)。ノアはすべて主が命じられた通りにしました(5節)。
イエスは山上の説教でこのように言われました。「24 だから、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行う者はみな、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができます。25 雨が降って洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけたが、それでも倒れませんでした。岩の上に建てられていたからです。26 また、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行わない者はみな、砂の上に自分の家を建てた愚かな人に比べることができます。27 雨が降って洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけると、倒れてしまいました。しかもそれはひどい倒れ方でした。」(マタイの福音書 7:24-27)
ノアは神のことばを聞いて、神の命令に従い、箱舟を造りました。ノアは神のおことばに従う賢い人物でした。その神への従順が自分自身と家族とを救うことになったのです。しかし、ノアの時代の人々は、箱舟に入るようにというノアの言葉には耳を貸しませんでした。彼らは神のみことばに従わない愚かな人々でした。その神への不従順が自分自身と家族とに滅びをもたらすことになったのです。
いのちと死、はっきりと二つに分けられました。中間はありませんでした。神の言葉に従うことを通して、死ではなく、いのちを選び取りましょう。その選択は自分だけでなく、家族をも救うことになります。
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