14 あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい。15 それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト(1キュビトは約44㎝)。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト。16 箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内にそれを仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。17 わたしは今、いのちの息あるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない。18 しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい。19 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。20 また、各種類の鳥、各種類の動物、各種類の地をはうものすべてのうち、それぞれ二匹ずつが、生き残るために、あなたのところに来なければならない。21 あなたは、食べられるあらゆる食糧を取って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物との食物としなさい。」22 ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。(創世記6:14-22)
神は大洪水によって裁きを行うことを決められました。わたしは今、いのちの息あるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない(17節)。しかし、神と共に歩んでいたノアと彼の家族を救う計画を神は持っていました。しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟に入りなさい(18節)。箱舟を造り、箱舟に入るなら、大洪水の裁きの中でも生き残ることができると神はノアに約束されたのです。
ノアはこの悪い時代にあっても正しく歩むことができましたが、その理由は何でしょうか。その一つは信仰継承だと思います。ノアの祖父はメトシェラです。メトシェラの父はあの神と共に歩んだエノクでした。メトシェラは父親が神と共に歩んだのを近くで見ていました。彼はその良い影響を受けたはずです。そして自分の孫にそのことを伝え、良い感化をノアに与えたのではないでしょうか。
ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、箱舟を造りました(22節)。これが信仰の応答です。信仰によって、ノアは、まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき、恐れかしこんで、その家族の救いのために箱舟を造り、その箱舟によって、世の罪を定め、信仰による義を相続する者となりました(へブル人への手紙11:7)。信仰はまだ見ていない事柄を信じることです。大洪水が来る兆候は全くありませんでしたが、ノアは神の言葉を信じて、神が命じられた通りの寸法で、長さ137m、幅23m、高さ14mほどの箱舟を造ったのです。これよりも大きな船が造られたのは、1884年になってからと言われています。ノアは裁きが来ることを信じて、裁きから逃れるために、自分と家族が救われるために、箱舟を造りました。神への信仰と服従は信仰生活に欠かすことができません。
ノアはどれほど人々からバカにされ嘲笑されたことでしょうか。それでも彼は箱舟を造り続け、また人々に警告を与え、神の言葉(義)を宣べ伝えました(Ⅱペテロ2:5)。残念ながら家族以外は誰もノアの話を信じませんでした。しかし、ノア一人の信仰を通して家族全員が救われたのです。家族に一人クリスチャンがいるなら、救いが全家族に及ぶ可能性が大いにあります。ここに希望があります。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」(使徒の働き16:31)
神は愛なる神ですが、人間の罪を見過ごすことのない義なる神でもあることを覚える必要があります。イエスが終末に関する説教で言われました。37 人の子が来るのは、ちょうど、ノアの日のようだからです。38 洪水前の日々は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は、飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりしていました。39 そして、洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったのです。人の子が来るのも、そのとおりです。(マタイの福音書24:37-39) イエスの再臨は突然やって来るでしょう。私たちは用心して備えて、目を覚ましていなければなりません。
ノアは終末時代を生きる私たちの模範です。ノアは周りに流されない人でした。この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい(ローマ人への手紙12:2)。ノアは世の流れに従うのではなく、神の言葉に従う人、そして、神を信じ、神と共に歩み、神の言葉を伝える人でした。
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